懐メロ風

私は岐阜県出身です。家から歩いて5分に大きな木曽川が流れています。私の住んだ町は、今では寂れた小さな飲み屋街ですが、私が生まれた頃は、家の直ぐ前の通りで毎朝、朝市があり、とても賑やかな所でした。
私の家は、その界隈では数本の指に入る古くて大きなバーで、住込みのホステスさんや、バーテンさんが、入れ替わり立ち代りよく出入りしていました。母は、多いときで12人分の食事を作ったと言っていました。
そんな忙しい母は、赤ん坊の私を、店の長〜いカウンターに寝かせてまま掃除したり、時には若いホステスさんに子守をまかせたり・・・(女の子達はお客さんとのデートで、気が向かない時、よく私を連れ出し、早く帰る口実につかったらしいですよ)
お店には、大きなジュークボックスがあって、昼から歌謡曲が流れ、夜には2階で寝ている私の子守歌となりました。中学時代になると、それはカラオケにとって変わりました。
すでにお店は、たたんでいますが、私が寂しい曲を書くのも、母が忙しく、かまってもらえなかった寂しさから、詩が浮かんでくるのかなぁという気がします。
そんな環境で育った私は、どうしても、あの昭和歌謡曲がからだに染み付いているようです。子どもの頃、鼻歌で作曲していたメロディーも、藤けい子風だったりする。
それで、最近また作った歌が、こうキタ。
『抱擁』←いいねぇ、まんまだねぇ。
ギターのアルペジオで奏でるこの歌は、やっぱり、寂れた酒場で一人スポットライトを浴びて歌うのに、ピッタリだ!あっ、言っておきますが、決してお洒落な酒場でないよ。
いつか歌いたい・・・・・・原点の歌。