新曲 『杣の唄』

新曲できました。
『杣の唄』 そまのうた
杣(樵夫)の言伝え(禁忌)と、山の精霊・山神をモチーフにしてます。
山神話は、地方によって異なり、また、山の民、農の民、水の民などでも、それぞれに解釈が違います。
ミソカヨーイというのは、長野地方のお話で、大晦日みそか)に山から聞こえてくるという言伝えがあります。しかし私は、森の木を伐採する人間に、木霊が警鐘の歌を山びことなって響かす不気味さを表現したかったので、決して時所諸縁を限定したつもりではありません。
それにしても、やはり怖い歌になってしまった。



     『杣の唄』


若枝は ざわめき 静まる
木漏れ陽が 深山(みやま)に 降りて
大木は こうべを垂らす
青落ち葉 大神(おおがみ) 迎える


十二の数 祈りの時間(ときま)
山神(やまがみ)は 我が子を 数え
森の番 木霊(こだま)は 姿に
結界の 根を解き 山びこ唄う


ミソカヨー ミソカヨーイ  
山入るべからず


おお 精霊の唸り
舞い上がる木屑(こくず)



血を吹く 裂け目 落ちろ 落ちろ 
張りさく 裂け目 刺され 刺され 
血を吹く 裂け目 落ちろ 落ちろ
張りさく 裂け目 刺され 刺され 刺され 刺され



オオヤマツミ 山の神
光と語らい 雨を慈しむ
清らかに沈みて、草木を眠らす
山入るべからず


            曲:詩/ YO-EN