『かもめの子守唄』

8日、さかもと未明さん主催の東京サントリーホールでのチャリティーコンサート(3.11で孤児となった子供たちと北朝鮮による拉致被害者家族のためのチャリティー)で、たった一曲ですが、全身全霊で歌ってきました。
一曲一入魂、オリジナルの『かもめの子守唄』は異国に拉致された少女の悲しい歌です。


この歌を歌う度に拉致被害者横田めぐみちゃんを思い浮かべるので、まさか横田夫妻が聞いてくれる事があるまいにと、おこがましくもひっそり頭をよぎった事は、実は少なくありませんでした。


それが現実となり、当人の目の前で歌う日が来るなんて、どうしてこうなったのか、私はこの巡り合わせが全く不思議でなりません。これを作った時、未明さんと知り合っていませんし、まだYouTubeではただの一曲もUPしていなかったのです。
のちに偶然YouTubeで動画を見てくれた未明さんが、私のHPを探して連絡してくれた時でも、未明さんがどんな方か知らなかったのです。
このコンサートも、チャリティーという事、それがどんなチャリティーかというのも、出演者が公表されてから聞きました。
その後の連絡で、ステージ時間は4分で収めてくれという事になり、それではオリジナル曲ですが『かもめの子守唄』という拉致された少女を歌った歌があり、これをこの場で歌うべきかどうかを主催者にお任せしました。
早速、歌詞を送ると、ぜひ、歌ってほしいというのです。

ライブまでそんな思いで気持ちも高まっていたので、当日に、横田夫妻は体調が最近優れないから、来られないかもと耳に入り、肩を落としていました。やがてリハーサルが終わって楽屋口で他の出演者と一緒にコーヒーを飲んでいると、横田夫妻の姿が静かに横を通り過ぎていくではありませんか。私はその間、息をするのを忘れてクラクラしてしまいました。


『かもめの子守唄』


あなたは知っていますか?
少女の悲しいさだめ
あの子は九つの時
異国にさらわれた


鉄の船の暗い底で
波に合わせ歌ってた
母の歌う子守唄を
思い出して歌ってた


あなたも聞こえるでしょう?
夜毎に泣いているのを
少女は海を癒やす命の母になる


あの子は歌う 悲しみ堪えて
あの子は歌う ねんねんころりよ


かもめは泣いている かもめは泣いている
あの子を返せと 母の腕に返せと

            詩/曲 YO-EN


あゝ、私はこの日のために、去年の暮れから、失敗のないように何度も練習してきた甲斐があったでしょうか。
それはお客様にしか分かりません。
私にできる事は、4分の枠で確りやってきたつもりです。

そして、ライブが終わってホテルに帰ると、さかもと未明さんから、横田夫妻が来られる事が出来たのは、本当は奇跡みたいなもんだよと、メールで知らせてくれました。